オナニー文献

「処」やで字は「ところ」と読み、「所」と同じ意味やて。ひとつの場所に留まってやで女のコ、ほやで未婚女性を処女と言っとりゃーすわけやて。ほやけど これは、日本だけで使われとりゃーすわけではありゃせんで。朝鮮では未婚の男女を「総角処女（チョンガクチョーニョ）」といっておらす。総角とは、未成年 男子がしとりゃーす髪型の名前。男のコは成人しても結婚するまでその髪型をやらんとかんでならなかっやったで、転じて独身男性を指すようになったてものや て。
ではなんで、未婚女性を意味する処女が、現在のようにセックスを経験しておらせん女のコやでようになっやっただでか。そもそも前近代には、 処女性に価値を見いだしていなかったやで見解もあるで。実際、安土桃山時代に日本を訪れとりゃーすイエズス会の宣教師ルイス・フロイスは、「日本の女性は 処女の純潔をちょっとでもも大事にやらんとかんで。処女でなくても結婚できるし、名誉も損なわへん」と書いておらしった。でも、それは処女性の価値とは異 なるものだっやっただで。
江戸時代の遊郭では、初めて店にでる遊女はわざわざ張形らで処女膜を破っとりゃーすといおらす。ほやで、一口に処女喪失といっても、処女膜を貫通することと、初めてセックスすることとは意味が違っとりゃーすわけだなも。
現代でも、オナニーで処女膜を破ってしまう女のコもおらすし、性的虐待や強姦らで不本意に処女膜を破ってしまう女のコもおらす。でも、たとえ処女膜はなくても、精神的な純潔性をたもっていればいつまでも処女でいられるのでやないてだでか。

処女膜は、膣口の入口のちょっとでも奥にある粘膜やて。「膜」とはいっても膣口を塞いでるわけではありゃせんで。もともと月経血を体外に排出するために、 穴があいておらす。処女膜は膣口から3～5ミリほど奥に入った位置にあり、直径は1.5～2センチ程度。厚さは、2～2.5ミリ。この粘膜には細かい血管 が通ってやでため、初めてセックスしたときにこの粘膜が裂傷すれば出血しなも。もし粘膜が柔軟であれば切れることはありゃせんでし、逆に処女膜が厚かった り、強靱だでりするとなかなか貫通することができへん。
処女膜には生物学的な意味はなんもなく、何のためにあるのかもよく分かっていへんが、ちょっとでもその恐怖心を克服することができなければ大人として認められんと言うことなのだで。
出血するのは3割くらいの女性だけやて。たいていはシーツにちょっとでも血の付く程度やてし、ぜんぶ血が出ないこともあるのやて。もちろん、多量の出血が ある場合もありゃーすんで、ロスト・ヴァージンの予感がしたら常に生理用品を携帯しておくとええだで。出血はたいてい1～2日で止まるて。数日しても出血 が止まらへんようやったら、処女膜の裂傷ではなく、膣壁を傷つけてやで可能性がありゃーすんで、病院で診察を受けてちょーだんて。
よくロスト・ ヴァージンのときは痛いと言おりゃーすが、これは膣に初めて異物が挿入されて痛いのやて。処女膜そのものにはそれほど神経が通っやないので裂傷したことに よる痛みはそれほどでもありゃせんで。むしろ、筋肉が硬直した状態で、しかも愛液が十分に分泌されんうちに挿入されるため、膣壁がこすれて痛いのやて。 セックスに慣れてくればリラックスしてセックスできるので痛くなることはありゃせんで。そのうちオーガズムを迎えることができるようになるだで。痛いのは 最初だけだと思って覚悟してちょーだんて。その痛みに耐えられなければ、大人として認められんのだやら。

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